敷地求積図とは?建築確認申請での役割と地積測量図との違いを解説
敷地求積図とは何か、建築確認申請における役割と記載内容、座標法で作成してよいか、敷地寸法図・地積測量図との違いを解説します。作成者・提出先・法的根拠まで実務目線で整理します。
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敷地求積図とは、建築確認申請に添付する図面で、敷地面積の計算根拠を示したものです。 法務局に保管される「地積測量図」と混同されることがありますが、両者は目的・提出先・作成者がすべて異なります。
この記事でわかること
- 敷地求積図とは何か(定義・目的・提出先)
- 「敷地面積求積図」「敷地寸法図」との呼び分け・違い
- 敷地求積図が必要になる場面(建築確認申請・開発許可など)
- 敷地求積図の記載内容(求積表・建ぺい率・容積率)
- 座標法で作成してもよいか(結論・利点・実務上の注意点)
- 敷地求積図と地積測量図の違い(目的・作成者・法的根拠)
- 地積測量図の座標データを敷地求積図に活用する方法
敷地求積図とは
敷地求積図(しきちきゅうせきず)とは、建築確認申請に添付する図面で、建設予定の建物が建ぺい率・容積率などの制限を満たしていることを証明するために、敷地の形状・寸法と面積の計算根拠を示したものです。
建築基準法に基づく建築確認申請では、設計建物が都市計画法・建築基準法の規制を遵守しているかを確認機関(特定行政庁・指定確認検査機関)が審査します。その審査の根拠資料として、敷地面積を正確に算出した敷地求積図が求められます。
「敷地面積求積図」「求積図」との呼び分け
敷地求積図には法定の名称がないため、図面上の表題は事務所や提出先によって揺れます。次はいずれもほぼ同じものを指します。
- 敷地求積図
- 敷地面積求積図
- 面積求積図
- (単に)求積図
一方、「求積図」は面積計算図の総称でもあり、建物の床面積を算出した床面積求積図や、開発許可で使う区域求積図も含みます。文脈によって指すものが変わるため、書類のやり取りでは「敷地の」求積図なのかを確認しておくと行き違いが減ります。総称としての整理は求積図とはにまとめています。
敷地寸法図との違い
似た名前の図面に敷地寸法図があります。両者は目的が違います。
| 敷地求積図 | 敷地寸法図 | |
|---|---|---|
| 主な目的 | 敷地面積の計算根拠を示す | 敷地の寸法と位置関係を示す |
| 中心になる情報 | 求積表(三角形や座標による面積計算) | 各辺の長さ、道路・隣地との関係、道路幅員 |
| 面積計算 | 必ず含む | 含まないこともある |
実務では1枚の図面に寸法と求積表の両方を載せて兼ねることも多く、その場合は表題が「敷地求積図」になっていることが一般的です。
敷地求積図が必要になる場面
敷地求積図が作成・添付されるのは、主に以下の申請手続きです。
| 申請の種類 | 根拠法令 | 提出先 |
|---|---|---|
| 建築確認申請 | 建築基準法第6条 | 特定行政庁・確認検査機関 |
| 開発行為の許可申請 | 都市計画法第29条 | 都道府県・市区町村 |
| 建設業の許可申請(一部) | 建設業法 | 都道府県 |
最も一般的なのは建築確認申請であり、新築・増築・改築の際に建築士が作成します。
敷地求積図の記載内容
敷地求積図には、法定様式はありませんが、一般的に以下の情報が記載されます。
- 敷地の形状・寸法:各辺の長さと境界点の位置を示す図面
- 面積の計算過程(求積表):土地を三角形や座標法で分割して面積を計算した表
- 建ぺい率・容積率の検討:算出した面積をもとに建ぺい率・容積率が制限内かを確認した数値
- 敷地面積の合計:複数の計算区画がある場合は各部の合計
- 作成者情報:一級・二級建築士の氏名・資格番号
面積の計算方法は、三斜法(土地を三角形に分割して合計する方法)が用いられることが多く、公共座標に基づく座標法が使われる場合もあります。
敷地求積図は座標法で作成してもよいか
結論から言えば、座標法で作成して問題ありません。 敷地求積図には法定様式がなく、面積の計算方法についても法令上の指定はないためです。求められているのは「敷地面積がその数値になる根拠が追えること」であって、三斜法であることではありません。
三斜法が多いのは慣行による
実務で三斜法が主流なのは、法令の要求ではなく経緯によるものです。
- 座標測量が一般的でなかった時代からの様式が引き継がれている
- 図面上で三角形の分割を見せると、審査側が図と数値を目視で追いやすい
- CADの求積機能が三斜求積表の出力を標準で備えている
座標法を選ぶ利点
確定測量が済んでいて座標値が手元にある場合は、座標法のほうが有利な場面があります。
| 利点 | |
|---|---|
| 検算のしやすさ | 座標さえあれば表計算ソフトで再計算でき、第三者が追える |
| 整合性 | 地積測量図の座標をそのまま使えるため、登記側の数値と食い違いにくい |
| 複雑な形状 | 頂点が多い敷地でも三角形分割の切り方に悩まなくて済む |
実務上の注意点
- 任意座標か公共座標かを図面上で明示する。地積測量図の座標を流用する場合は、平面直角座標系の系番号まで書いておくと後で追える
- 提出先の運用を事前に確認する。法令上の制限はありませんが、特定行政庁や指定確認検査機関によっては様式や記載事項の指定がある場合があります
- 求積表には点名・X座標・Y座標・計算結果を並べ、合計面積までの過程が追える形にする
- 道路後退(セットバック)部分を除く場合は、除く前後のどちらの面積なのかを明記する
なお、地積測量図に記載された座標値を敷地求積図に流用する場合、PDFから座標を1点ずつ手入力すると転記ミスが起きやすい箇所です。この作業は自動化できます(後述)。
敷地求積図と地積測量図の違い
敷地求積図と地積測量図は、どちらも「土地の面積を示す書類」ですが、用途・法的根拠・提出先が根本的に異なります。
| 項目 | 敷地求積図 | 地積測量図 |
|---|---|---|
| 目的 | 建ぺい率・容積率の算出根拠 | 登記簿上の地積(面積)の確定 |
| 法的根拠 | 建築基準法 | 不動産登記法・不動産登記規則 |
| 提出先 | 特定行政庁・確認検査機関 | 法務局(登記所) |
| 保管場所 | 各建築確認機関(原則非公開) | 法務局に永久保存(誰でも取得可能) |
| 作成者 | 建築士(一級・二級) | 土地家屋調査士 |
| 様式の定め | 法定様式なし | 不動産登記規則で記載事項が定められている |
| 座標の記載 | 省略されることが多い | 平成17年以降は境界点の座標値を原則記載 |
| 主な算出方法 | 三斜法が多い | 平成17年以降は座標法が原則 |
面積が一致しないことがある
建築確認申請の敷地求積図と法務局の地積測量図で、面積が微妙に異なる場合があります。これは、
- 計算方法の違い(三斜法 vs 座標法)
- 測量時期の違いによる測量精度の差
- 公道・水路などの境界の扱いの差
などが原因です。どちらの面積を採用するかは申請手続きによって異なります。建築確認では建ぺい率・容積率の計算根拠として敷地求積図の面積を、登記・税務計算では登記簿の地積(地積測量図の面積)を使うのが一般的です。
敷地求積図は誰が作成するのか
敷地求積図は、建築確認申請の設計図書の一部として建築士が作成します。土地家屋調査士が作成する地積測量図とは作成者が異なります。
ただし、測量した境界データを建築設計に活用する場合や、隣接地との境界確認が必要な場合には、土地家屋調査士が作成した地積測量図の座標データを参照して敷地求積図を作成することもあります。
地積測量図の座標データを敷地求積図に活用する
法務局で取得した地積測量図に境界点の座標値が記載されている場合(平成17年以降の図面が中心)、その座標データを建築設計・敷地求積図の作成に活用できます。
地積測量図PDFから座標値をAI OCRで自動抽出すれば、手入力なしに座標データをExcelや設計ソフトに取り込めます。境界点の座標が既知であれば、敷地の形状を正確に再現でき、求積の精度も向上します。
まとめ
- 敷地求積図は建築確認申請に添付する図面で、建築士が作成し確認機関に提出する
- 地積測量図は不動産登記に使う法定図面で、土地家屋調査士が作成し法務局に永久保存される
- 両者は目的・提出先・作成者・法的根拠がすべて異なる別の書類
- 面積の数値が一致しない場合があるため、用途に応じてどちらを参照するかを確認する
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よくある質問
Q: 敷地求積図は誰でも取得できますか?
A: 敷地求積図は建築確認申請の添付書類であり、法務局の地積測量図とは異なり一般公開されていません。原則として申請者・設計者など申請関係者が保管しています。法務局で誰でも取得できるのは地積測量図です。
Q: 敷地求積図と地積測量図の面積が違う場合、どちらが正しいですか?
A: どちらも正確ですが、計算方法・測量時期・境界の扱いが異なるため面積が一致しないことがあります。建築確認・建ぺい率・容積率の計算には敷地求積図の面積を、登記・税務計算には地積測量図(登記簿)の面積を使うのが一般的です。
Q: 地積測量図があれば敷地求積図は不要ですか?
A: いいえ、別の書類です。地積測量図は登記申請用であり、建築確認申請には別途敷地求積図の提出が必要です。ただし、地積測量図の座標データを参照して敷地求積図を作成することはできます。
Q: 敷地求積図の求積方法(三斜法・座標法)はどちらを選べばよいですか?
A: 建築確認申請では法定の指定はなく、どちらでも認められます。三斜法が簡便なため建築実務で多く使われますが、地積測量図の座標データを活用できる場合は座標法の方が検算しやすく、登記側の数値とも整合が取りやすくなります。判断材料と実務上の注意点は「敷地求積図は座標法で作成してもよいか」で詳しく整理しています。
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