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三斜法と座標法の違い。地積測量図の面積計算方法を解説

地積測量図の面積計算で使われる三斜法と座標法の違いを解説します。それぞれの計算方法・特徴・古い図面の見分け方、座標法への移行の経緯も整理します。

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地積測量図に記載されている求積表(面積計算の表)を見ると、三角形の分割図が描かれている古い図面もあれば、座標値の一覧が並んでいる新しい図面もあります。これは「三斜法」と「座標法」という2種類の面積計算方法の違いによるものです。

地積測量図の面積計算方法は2種類ある

土地の面積を求める計算方法には、大きく三斜法と**座標法(座標求積法)**の2種類があります。地積測量図の作成年代によってどちらが使われているかが異なります。

計算方法 別称 主に使われる図面
三斜法 三斜求積法 古い地積測量図(平成17年以前が多い)・敷地求積図
座標法 座標求積法・ガウスの公式 平成17年以降の地積測量図

三斜法とは

三斜法(さんしゃほう)は、土地を複数の三角形に分割し、それぞれの面積を合計する計算方法です。

三角形の面積は「底辺 × 高さ ÷ 2」で求められます。これを使い、不規則な形の土地でも三角形の組み合わせで全体の面積を算出できます。

三斜法の求積表の見方

三斜法の求積表には、分割した各三角形の情報が記載されます。

三角形番号 底辺(m) 高さ(m) 面積(㎡)
△1 12.500 8.300 51.875
△2 12.500 6.750 42.188
△3 7.200 5.100 18.360
合計 112.423

図面には、土地をどのような三角形に分割したかを示す分割線が描かれています。

三斜法の特徴

  • 計算が単純:三角形ごとに底辺 × 高さ ÷ 2 を計算するだけで理解しやすい
  • 座標値が不要:境界点の絶対座標がなくても面積を求められる
  • 復元に使えない:座標値がないため、図面の座標を使って境界点を現地に復元することはできない
  • 精度のばらつき:分割方法や測定値によって誤差が生じやすい

座標法(座標求積法)とは

座標法は、各境界点のX座標・Y座標の値から面積を計算する方法です。「ガウスの公式」とも呼ばれ、現在の地積測量図ではこの方法が原則となっています。

座標法の計算の仕組み

境界点の座標(X₁,Y₁)、(X₂,Y₂)、…、(Xₙ,Yₙ)を順に使い、以下の公式で面積を計算します。

面積 = |Σ(Xᵢ × Yᵢ₊₁ − Xᵢ₊₁ × Yᵢ)| ÷ 2

座標法の求積表の例:

点番 X座標 Y座標
1 -12,345.678 23,456.789
2 -12,340.123 23,460.456
3 -12,338.900 23,452.100
4 -12,344.210 23,449.350

これらの座標値をガウスの公式に代入することで、地積(面積)が計算されます。

座標法の特徴

  • 高精度:各境界点の絶対座標値から計算するため、精度が高く再現性がある
  • 検算可能:座標値さえあれば誰でも面積を再計算して確認できる(OCR読み取りミスの検出にも使える)
  • 境界復元に使える:座標値を使って現地に境界点を復元できる(隣接地の過去の測量にも活用可能)
  • CADとの連携が容易:SIMA形式などでCADに座標を取り込み、図面を再現できる
  • 基準点への接続が必要:公共座標系での作成には、国家基準点等への接続測量が必要になる

三斜法と座標法の比較

比較項目 三斜法 座標法
計算の仕組み 三角形の底辺×高さ÷2の合算 ガウスの公式(座標値から計算)
座標値の記載 なし あり(X・Y座標)
面積精度 比較的低い 高い
面積の検算 難しい 容易(座標から再計算可能)
境界の復元 できない できる(座標値を使用)
CAD連携 難しい 容易(SIMA形式等で取り込み可能)
使われる時期 平成17年以前が中心 平成17年以降が原則

平成17年(2005年)の規則改正

平成17年の不動産登記規則の改正により、法務局に提出する地積測量図は世界測地系に基づく平面直角座標系で境界点の座標を記載することが原則化されました。これ以降、新たに作成される地積測量図には座標法による求積が基本となっています。

改正前(三斜法が多かった時期)の図面でも、地積測量図自体が現存していれば法務局で取得できます。ただし、座標値が記載されていないため、現代のCADや座標管理システムでの活用には制限があります。

古い地積測量図が三斜法かどうかを見分ける方法

取得した地積測量図を確認する際のポイントは以下のとおりです。

座標法(新しい図面)の特徴:

  • 求積表に点番・X座標・Y座標の3列が並んでいる
  • 座標値が5〜6桁の数値(例:35,927.432)で記載されている
  • 図面内に「座標一覧表」または「基準点・引照点の情報」がある

三斜法(古い図面)の特徴:

  • 求積表に三角形番号・底辺・高さ・面積が記載されている
  • 図面上に三角形の分割線が描かれている
  • 座標値の記載がない(または極めて小さな値の任意座標のみ)

一般的に、平成17年(2005年)以降に作成された地積測量図は座標法が原則ですが、それ以前の図面でも座標法で作成されているものがあります。逆に、平成17年以降でも特定の状況では三斜法が使われる場合があります。

AI OCRとの相性の違い

地積測量図のPDFからデータを自動抽出する場合、三斜法と座標法では取り出せる情報が異なります。

  • 座標法の図面:AI OCRで各境界点の座標値(X・Y)を抽出→SIMA形式でCADに取り込み可能
  • 三斜法の図面:求積表から底辺・高さ・面積を抽出→座標による境界復元には使えない

座標値が取得できる座標法の図面は、AI OCRツールとの相性が良く、境界点座標の自動抽出・SIMA変換・面積の自動検算まで一連の処理が可能です。

まとめ

  • 三斜法:土地を三角形に分割して面積を合計する。古い図面に多く、座標値がないため境界復元には使えない
  • 座標法:境界点の座標値からガウスの公式で面積を計算する。平成17年以降の地積測量図の原則
  • 座標法の図面は検算・境界復元・CAD取り込みが容易で、AI OCRとの連携にも適している
  • 古い図面を扱う際は、求積表の形式を確認して三斜法か座標法かを判断する

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