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公図と登記簿から調査図を作成する方法。隣接地の所有者・地積を1枚にまとめる

用地調査・不動産調査で作る「調査図」を、公図PDFと登記簿謄本PDFから自動作成する方法を解説します。申請地に接する筆の特定、地番・地目・地積・所有者・抵当権の図上への記入、隣接地の数え漏れを図面自体で検算する仕組みまで紹介します。

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用地買収・不動産の仕入れ・境界の事前調査では、公図の上に対象地と隣接地の権利関係を書き込んだ図面を作ります。呼び方は事務所によって「調査図」「用地調査図」「権利関係図」などさまざまですが、やっていることは共通で、公図(区画)と登記簿謄本(権利)という別々の資料を1枚に重ねる作業です。

この作業を、公図PDFと登記簿謄本PDFのアップロードだけで自動化できるようになりました。

調査図とは何をまとめた図面か

調査図は、公図に次の情報を筆ごとに書き込んだ図面です。

  • 地番
  • 地目・地積
  • 所有者の住所・氏名(共有の場合は持分ごと)
  • 登記原因と日付
  • 抵当権の有無

公図だけでは「どの区画がどの地番か」しか分からず、登記簿謄本だけでは「その筆が現地でどこにあるか」が分かりません。用地交渉でも、仕入れの検討でも、境界立会いの段取りでも、判断に必要なのは常にこの2つを重ねた状態です。だから現場では、資料が揃うたびに人手で1枚に描き起こすことになります。

実際の出力サンプル

公図PDFと、申請地・隣接地の登記簿謄本PDFをアップロードして出力した調査図です(氏名・住所・所在は架空のものに差し替えています)。

公図と登記簿謄本から自動作成した調査図のサンプル。申請地を赤字で示し、接する各筆に地番・地目・地積・登記原因・所有者住所氏名・抵当権の有無が記入されている

中央の 170-30 が申請地で、赤字の「申請地」で区別されます。接している 170-14・170-25・170-31・170-28 の4筆に、それぞれの登記内容が記入されています。

読み取りの結果は、同じ内容のExcel(各筆の内容)としても同時に出力されます。

内容
地番 公図から読み取った地番
区分 申請地/隣接地
地目・地積 登記簿の表題部から
所有者・所有者住所 共有の場合は持分とあわせて全員分
登記原因 錯誤・分筆・地目変更など
抵当権 有/無/無(抹消済)
照合結果 一致/複数該当/公図に無し

図面は目視確認に、Excelは交渉先リストや台帳への取り込みに使えます。抵当権は「有」「無」のほかに**「無(抹消済)」**を区別して出します。過去に設定があって抹消済みなのか、そもそも設定がないのかは、担保交渉の要否を判断するうえで意味が違うためです。

手作業でいちばん危ないのは「隣接地の数え漏れ」

転記ミスも面倒ですが、実務で代償が大きいのは隣接地を1筆見落とすことです。立会いの通知先が漏れる、交渉相手が足りない、といった形で後工程に響きます。

そして見落としは、図としては成立してしまうので気づけません。4筆と思って描いた図は、実際が5筆でも見た目に破綻しません。

公図には数え漏れを検算する仕組みがある

これは利用者の方から教わった読み方です。申請地の輪郭には、閉じずに外へ伸びている短い線(いわゆる「ひげ線」)が刺さっています。このひげとひげの間の1区間が、ちょうど1筆と接しています。

つまり、区間を数えれば接している筆の数が図から直接決まります。この数と、実際に地番を特定できた筆の数が合わなければ、そこで見落としが分かります。tohonはこの区間を追って隣接筆を特定し、アップロードされた登記簿と突き合わせて食い違いを警告として出します

  • 公図では接しているのに登記簿が出ていない筆 → 「登記簿がアップロードされていません」
  • 登記簿はあるが公図では接していない筆 → その旨を警告

用地調査で隣接地を1筆落とすのは、図が少し崩れるより高くつきます。図が黙って正しそうに見えることのほうが問題なので、合わないときは合わないと表示する設計にしています。

角で1点だけ接している筆も隣接地として拾う

辺で接していなくても、角で1点だけ接している筆は隣接地です。区間としては極端に短いため、長さで足切りをすると図から丸ごと消えてしまいます。実際にこれで1筆落としたことがあり、いまは点接触も隣接地として扱っています。

細い筆は地番を枠の外へ出して引き出し線でつなぐ

サンプルの 170-28 は 7.94㎡ の細長い土地で、筆の中に文字が入りません。公図ではこうした狭小地に記号(カタカナ)を振り、余白の凡例表で地番と対応させています。

記号は自分の筆の中に入らないので、隣の広い筆の中に置かれていることがあります。この記号をそのまま地番に置き換えると、置かれている側の筆の地番に見えてしまいます。そのため、記入する情報は図の枠の外へ出し、引き出し線を引き直しています。

使い方

  1. アップロード画面で文書種別に「調査図」を選ぶ
  2. ① 公図のPDF を選ぶ
  3. ② 申請地の登記簿PDF を選ぶ
  4. ③ 隣接地の登記簿PDF を選ぶ(複数可・省略も可)
  5. 用紙サイズ(A4/A3)を選んで「調査図を作成する」

③を省略しても図は作成できますが、隣接地の権利情報は載りません。接する筆の謄本を揃えてからアップロードすると、1回で完成した図になります。

利用量は、公図と登記簿(申請地・隣接地)の合計ページ数でカウントされます。公図の凡例だけのページも1ページに数えます。1件あたりの目安は7〜12ページです。

使えるプラン

調査図の作成は**実務プラン(¥1,480 / 月・税込、月100ページまで)**の機能です。登記簿謄本のデータ化・地積測量図の座標抽出だけであれば、無料プラン(月10ページ)や Pro プラン(¥980 / 月・月50ページ)でも利用できます。

新規登録から7日間・累計30ページまでは、クレジットカードの登録なしで実務プラン相当の機能を試せます。調査図もこの期間に作成できるので、手元の案件の公図と謄本で先に確認してから加入をご検討ください。

登記簿謄本の取得そのものは登記情報提供サービスからオンラインでも行えます。公図もあわせて取得できるので、資料集めから調査図の作成までを画面上で完結できます。

使う前に知っておきたいこと

公図は境界を証明する図面ではありません。 公図の大半は「地図に準ずる図面」で、明治期の測量をもとにした精度の低いものが多く含まれます。調査図はあくまで権利関係を把握するための資料で、境界の位置を確定する根拠にはなりません。境界そのものが問題になる場面では地積測量図が必要です(公図と地積測量図の違い)。

対応しているのは土地の登記簿です。 区分所有建物(マンション)には対応していません。

出力は必ず原本と照合してください。 特に所有者名と住所は、地積のように別の値から検算する手段がありません。スタンプや折り目が文字に重なっている謄本では読み違いが起こりえます。図とExcelの両方に同じ内容が出るので、確認は原本と1回突き合わせれば済みます。

まとめ

調査図の作成は、資料の取得そのものより、取得した後の転記と照合に時間がかかる作業です。筆数が増えるほど、そして隣接地が増えるほど、その時間と見落としのリスクは膨らみます。

公図と登記簿を渡すだけで、接する筆の特定・権利情報の記入・数え漏れの検算までを自動で行えます。新規登録から7日間・累計30ページまでは無料で、調査図もこの期間に試せます。

用地調査で複数筆の登記情報をまとめて扱う方法は不動産業務における登記確認の自動化、多数のPDFを一度に処理する手順は登記PDFの一括OCRでも解説しています。


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