測量図の面積を自分で検算する方法。ガウスの公式と座標求積の確認
地積測量図に記載された座標値を使って面積を自分で計算・検算する方法を解説します。ガウスの公式(座標求積)と三斜法、それぞれの計算手順と使い分け、Excelで検算する方法を紹介します。
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地積測量図には座標値と求積表が記載されていますが、その面積が正しいか自分で確認したい場合があります。この記事では、座標から面積を計算する「ガウスの公式」(座標法)と、古い地積測量図で使われる「三斜法」、それぞれの計算方法とExcelでの検算方法を解説します。
座標求積とは
座標求積(ざひょうきゅうせき)は、各境界点のX・Y座標から土地の面積を計算する方法です。「ガウスの公式」または「座標面積計算式」とも呼ばれます。
地積測量図に記載されている求積表はこの方法で計算されており、正確な面積が求められます。
三斜法とは
三斜法(さんしゃほう)は、土地の形状を複数の三角形に分割し、それぞれの三角形の面積を計算して合計する求積方法です。座標求積(ガウスの公式)が普及する以前から使われてきた計算方法で、電子的な測量機器や座標計算が一般的でなかった時代に確立されました。
座標値が記載されていない古い地積測量図では、三斜法による求積表(三斜求積図)だけが添付されている場合があり、読み方を知っておく必要があります。
三斜法の計算式
三角形の底辺(長さの分かっている1辺)と、その辺に対する高さが分かれば、次の式で面積を求めます。
三角形の面積 = 底辺 × 高さ ÷ 2
土地全体の面積は、分割したすべての三角形の面積を合計します。
3辺の長さしか分からない場合(ヘロンの公式)
底辺・高さではなく3辺の長さ(a, b, c)だけが分かっている場合は、ヘロンの公式を使います。
s = (a + b + c) ÷ 2
面積 = √(s × (s-a) × (s-b) × (s-c))
計算例
例:3辺が6.000m・8.000m・10.000mの三角形
s = (6.000 + 8.000 + 10.000) ÷ 2 = 12.000
面積 = √(12.000 × (12.000-6.000) × (12.000-8.000) × (12.000-10.000))
= √(12.000 × 6.000 × 4.000 × 2.000)
= √576.000
= 24.000 ㎡
多角形の土地であれば、これを複数の三角形に分けてそれぞれ計算し、合計します。
座標法(ガウスの公式)との違い
| 三斜法 | 座標法(ガウスの公式) | |
|---|---|---|
| 必要な情報 | 各辺の長さ、または底辺と高さ | 各点のX・Y座標 |
| 計算の単位 | 土地を三角形に分割して個別に計算 | 分割せず一括で計算 |
| 使われる場面 | 座標値が記載されていない古い地積測量図 | 現在の地積測量図(座標値付き) |
| 計算の手間 | 三角形の数だけ計算が必要 | 座標さえあれば一度に計算可能 |
現在作成される地積測量図の多くは座標値が記載されているため座標法で検算できますが、座標値が無い古い地積測量図(三斜求積図が添付されているもの)を読む場合は、三斜法の理解が必要です。
三斜法と座標法の違いそのもの(平成17年の規則改正の経緯、古い図面がどちらで作られているかの見分け方など)は、三斜法と座標法の違いで詳しく解説しています。この記事では以降、座標法での検算手順に絞って説明します。
ガウスの公式
多角形の各頂点の座標(X₁, Y₁), (X₂, Y₂), ... , (Xₙ, Yₙ)から面積を計算する公式です。
面積 = |Σ(Xᵢ × Yᵢ₊₁ - Xᵢ₊₁ × Yᵢ)| / 2
※ 最後の頂点の次は最初の頂点に戻る(Xₙ₊₁ = X₁, Yₙ₊₁ = Y₁)
計算手順
例:4点の土地(単純な四角形)
| 点名 | X座標 | Y座標 |
|---|---|---|
| 1 | 100.000 | 200.000 |
| 2 | 130.000 | 200.000 |
| 3 | 130.000 | 240.000 |
| 4 | 100.000 | 240.000 |
ステップ1:各点の(Xᵢ × Yᵢ₊₁)を計算
| 計算 | 値 |
|---|---|
| X₁ × Y₂ = 100.000 × 200.000 | 20,000.000 |
| X₂ × Y₃ = 130.000 × 240.000 | 31,200.000 |
| X₃ × Y₄ = 130.000 × 240.000 | 31,200.000 |
| X₄ × Y₁ = 100.000 × 200.000 | 20,000.000 |
| 合計 | 102,400.000 |
ステップ2:各点の(Xᵢ₊₁ × Yᵢ)を計算
| 計算 | 値 |
|---|---|
| X₂ × Y₁ = 130.000 × 200.000 | 26,000.000 |
| X₃ × Y₂ = 130.000 × 200.000 | 26,000.000 |
| X₄ × Y₃ = 100.000 × 240.000 | 24,000.000 |
| X₁ × Y₄ = 100.000 × 240.000 | 24,000.000 |
| 合計 | 100,000.000 |
ステップ3:差の絶対値を2で割る
面積 = |102,400.000 - 100,000.000| / 2 = 2,400.000 / 2 = 1,200.000 ㎡
この四角形は30m × 40m = 1,200㎡で正解です。
Excelで検算する方法
Excelを使うと、座標データを入力するだけで面積を自動計算できます。
計算シートの作り方
A列に点名、B列にX座標、C列にY座標を入力します。
| A | B | C | D(XᵢYᵢ₊₁) | E(Xᵢ₊₁Yᵢ) |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 100.000 | 200.000 | =B2*C3 | =B3*C2 |
| 2 | 130.000 | 200.000 | =B3*C4 | =B4*C3 |
| 3 | 130.000 | 240.000 | =B4*C5 | =B5*C4 |
| 4 | 100.000 | 240.000 | =B5*C2 | =B2*C5 |
※ 最後の行では「次の行」として最初の行(B2, C2)を参照
面積セルに入力する式:
=ABS(SUM(D列)-SUM(E列))/2
ポイント
- 座標は小数点以下3桁まで入力する(地積測量図の精度に合わせる)
- 最後の点の「次」は最初の点を参照する(循環しないよう別セルに記載)
- 計算結果と地積測量図の求積表の値が一致するか確認
実際の地積測量図での確認
地積測量図の求積表に記載された面積と、座標から計算した面積が一致すれば、OCR読み取りが正確だと確認できます。
不一致が出る場合の原因:
- OCRの数字の読み取りミス(1と7、0と6の混同など)
- 座標の桁数間違い(小数点の位置のずれ)
- 点の順番が間違っている(隣接しない点が連結されている)
AI OCRツールの中には、抽出した座標からこの検算を自動実行し、求積表と照合する機能を持つものがあります。不一致が発生した場合に警告が出るため、手動確認の効率が上がります。
座標法の式を数値例で追う場合は地積測量図の面積計算方法、求積表そのものの構成と求積図との関係は求積図と地積測量図の違いを参照してください。
複数の区画がある場合
土地が複数の区画(例:公有地を含む、飛び地)に分かれている場合は、各区画の面積を個別に計算して合計します。
地積測量図の求積表でも、区画ごとに面積が記載されて最後に合計が表示されます。
まとめ
- 座標求積(ガウスの公式)で地積測量図の面積を自分で検算できる
- Excelに座標を入力して計算式を設定するだけで面積が出る
- OCR抽出結果の検証にも使える(求積表の値と照合)
- AI OCRツールで自動検算する機能があると、確認作業が効率化される
手順を理解した上で自動化を試したい場合は、tohonをお試しください。地積測量図から座標を自動抽出した後、面積を自動検算して求積表と照合します。30ページ無料です。
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