不動産売買の登記チェックリスト。仲介業者が物件調査から契約まで確認すべき項目
不動産売買仲介で登記簿謄本をチェックする際の確認項目を一覧化したガイド。物件調査・媒介契約・重要事項説明・決済の各フェーズで何を確認すべきかをわかりやすく解説します。
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不動産売買の仲介業務では、物件調査から引き渡しまでの複数のフェーズで登記簿謄本を確認します。各フェーズでどの項目を確認すべきかを整理しておくことで、確認漏れとトラブルを防げます。
フェーズ別の登記チェック概要
| フェーズ | 主な確認目的 | 主に見る区分 |
|---|---|---|
| 物件調査・仕入れ時 | 所有者・権利関係の把握 | 表題部・甲区・乙区 |
| 媒介契約締結前 | 売主と登記名義人の照合 | 甲区 |
| 重要事項説明書作成 | 権利関係の記載 | 甲区・乙区 |
| 決済直前 | 抵当権抹消確認 | 乙区 |
フェーズ1:物件調査・仕入れ時のチェックリスト
買取・売主からの依頼受付・用地調査など、物件を初めて確認する段階での確認項目です。
表題部
- 所在・地番が対象物件と一致しているか
- 地目が「宅地」か(田・畑の場合は農地法の制約がある)
- 地積が売主の説明と概ね一致しているか(実測と登記面積の乖離の有無)
権利部(甲区)
- 現在の所有者が売主と一致しているか
- 共有名義になっていないか(共有の場合は持分と共有者全員の確認)
- 仮登記・差押・仮差押が入っていないか
- 相続が未了で被相続人名義のままになっていないか
権利部(乙区)
- 抵当権・根抵当権の有無
- 複数の抵当権が設定されていないか(優先順位の確認)
- 地上権・地役権・賃借権の設定がないか
- 仮差押・差押・破産の記録がないか
フェーズ2:媒介契約締結前のチェックリスト
売主と媒介契約を結ぶ前に、権利関係の問題がないかを確認します。
売主と登記名義人の照合
- 甲区の最新の所有権移転記録が売主と一致しているか
- 氏名の旧字体・異体字のズレが実際の同一人物を示しているか確認
- 法人名義の場合、担当者が代表者権限を持つか確認
リスクの有無確認
- 差押・仮差押が記録されていないか
- 根抵当権の場合、借入残高の大きさを確認(売却価格で完済できるか)
- 共有の場合、全員が売却に合意しているか口頭で確認
フェーズ3:重要事項説明書作成時のチェックリスト
重説に登記情報を転記する際の確認項目です。
表題部から転記
- 所在・地番・地目・地積(土地)
- 種類・構造・床面積(建物がある場合)
甲区から転記
- 所有者氏名・住所・持分(共有の場合は全員分)
- 設定されている仮登記・仮差押・差押があれば記載
乙区から転記
- 抵当権・根抵当権の有無と内容(抵当権者・債権額・順位)
- 地上権・地役権・賃借権がある場合はその内容
- 抹消済みのものを誤って記載しないよう確認
フェーズ4:決済直前のチェックリスト
引き渡し・決済の直前(1〜3日前)に最新の謄本を取得して最終確認します。
乙区の最終確認
- 事前に確認した抵当権が記録されたままになっているか
- 新たに差押・仮差押が追加されていないか
- 売主がローンを全額弁済し、抹消手続きが完了しているか(決済当日に抹消する場合は書類の事前確認)
甲区の最終確認
- 新たな登記(仮登記・差押など)が追加されていないか
注意が必要な物件パターン
相続案件
被相続人名義のまま売り出されている物件では、相続登記が未了です。相続人が複数いる場合は全員の合意と登記完了を確認してから媒介契約を締結してください。相続登記が義務化(2024年4月〜)されたため、相続案件の件数は増加傾向にあります。
共有名義案件
甲区に複数の所有者が記録されている場合、全員の売渡承諾が必要です。共有者の中に行方不明者や協議不成立の相続人がいる場合、売却手続きが難航することがあります。
根抵当権設定案件
根抵当権は借入残高が変動するため、決済日時点の債権額を金融機関から取得する必要があります。残高証明書の発行には時間がかかる場合があるため、早めに依頼してください。
農地案件
地目が「田」「畑」の農地は農地法による制約があり、売買には農業委員会の許可または届出が必要です。登記上の地目が農地でも、現況が非農地の場合は地目変更登記と農地転用の手続きが必要になることがあります。
AI OCRで一括確認・転記を効率化する
複数物件の登記チェックをまとめて行う場合、登記情報の手動転記は時間がかかります。AI OCRを使えば、複数の登記事項証明書PDFを一括で処理し、チェックリストの項目を自動で抽出できます。
一括処理の流れ:
- 複数物件の登記事項証明書PDFをまとめてアップロード
- 全物件の表題部・甲区・乙区情報を一覧で出力
- 地目・抵当権有無・共有の有無でフィルタリング
- 重要事項説明書の該当欄にコピー&ペースト
| 作業 | 手作業 | AI OCR利用後 |
|---|---|---|
| 1件の登記情報確認・転記 | 10〜20分 | 2〜3分 |
| 10件の物件調査一覧作成 | 2〜3時間 | 30〜40分 |
| 抵当権有無の一括スクリーニング | 1件ずつ開いて確認 | 一覧で瞬時に確認 |
まとめ
不動産売買の仲介業務では、物件調査・媒介契約・重説作成・決済直前の各フェーズで登記確認が必要です。フェーズごとの確認項目を事前に把握し、チェックリストに沿って確認することで、見落としを防ぎ業務を効率化できます。複数物件をまとめて処理する場面では、AI OCRによる一括抽出が作業時間の大幅な削減につながります。
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