地積測量図がない場合の対処法|代わりになる資料と売買・測量・相続での進め方
法務局に地積測量図がない土地は珍しくありません。古い土地・未登記・山林や農地で多い傾向があります。代わりになる資料(公図・確定測量図・地籍図)の取得方法と、売買・測量・相続それぞれの場面での具体的な対処法を解説します。
法務局で地積測量図を請求したのに「存在しない」と言われた——実務ではよくあるケースです。この記事では、登記簿で事前に存在を確認する方法と、地積測量図がない場合に代わりとなる資料、売買・測量それぞれの場面での対処法を整理します。
登記簿で地積測量図の有無を確認する方法
法務局に行く前に、手元の土地登記簿(登記事項証明書)の右端「原因及びその日付」欄を確認することで、地積測量図の存在をある程度判断できます。
次のいずれかの記載があれば、地積測量図が存在する可能性が高いです。
- 分筆(例:「○番から分筆」)
- 一部地目変更
- 錯誤(地積更正登記のときに記載される)
これらの登記は地積測量図の添付が必要な手続きであるため、同時に図面が法務局に備え付けられているケースがほとんどです。
ただし、直近で**地図整備事業や国土調査(地籍調査)**が実施された地域では、従来の地積測量図が閉鎖されている場合があります。閉鎖されていても法務局で取得はできますが、現在の登記に使われている図面は地籍調査の成果に切り替わっています。
まとめると:「原因及びその日付」欄に分筆・一部地目変更・錯誤の記載があれば地積測量図あり。記載がなければ存在しない可能性が高い。
地積測量図がない土地は珍しくない
地積測量図は、分筆登記・地積更正登記・表題登記などの申請時に添付される図面です。つまり、これらの登記が一度も行われていない土地には、そもそも地積測量図が存在しません。
特に次のような土地では、地積測量図がないことが多くあります。
- 明治・大正時代から一度も分筆されていない土地
- 先祖代々受け継がれてきた農地・山林
- 区画整理や耕地整理の対象になっていない古い市街地の土地
また、地積測量図の添付が義務付けられたのは昭和35年(1960年)の不動産登記法改正で表示に関する登記制度が創設されて以降です。それ以前は制度自体が存在しないため、当時分筆された土地にも図面はありません。
なお、昭和52年(1977年)10月1日の施行細則改正で境界標の表示が義務化され、これ以降の図面は精度が大きく向上しています。昭和35年から52年の間に作成された図面は存在はしますが、座標値の記載がなく精度も限定的なものが多くあります。
地積測量図の代わりになる資料
地積測量図がない場合でも、次の資料を組み合わせて土地の情報を把握できます。
| 資料 | 入手先 | 分かること |
|---|---|---|
| 公図 | 法務局 | 土地の位置・形状・隣接関係 |
| 登記簿謄本(登記事項証明書) | 法務局 | 登記上の地積・所有者 |
| 隣接地の地積測量図 | 法務局 | 共通する境界点の座標 |
| 確定測量図・実測図 | 所有者が保管 | 過去の測量成果 |
| 地籍調査の成果(地籍図) | 市区町村 | 地籍調査済み地域の境界座標 |
実務上有効なのが隣接地の地積測量図です。対象地自体に図面がなくても、隣接地が過去に分筆されていれば、共通する境界点の座標が記載されている場合があります。
また、地籍調査が完了している地域では、市区町村で地籍図・座標データを取得でき、境界の有力な資料になります。
場面別の対処法
土地売買の場合: 地積測量図がない土地の売買では、登記簿上の面積(公簿面積)と実際の面積が食い違うリスクがあります。買主保護の観点から、確定測量を実施して面積を確定させる「実測売買」とするのが安全です。公簿面積のまま取引する場合は、面積の差異について精算しない旨を契約で明確にします。
境界確認・測量の場合: 公図・隣接地の地積測量図・現地の境界標・占有状況などを総合的に調査して境界を検討します。隣接地の図面から得られる座標データが多いほど、復元の精度が上がります。
相続・資産管理の場合: すぐに測量が必要なければ、公図と登記簿で現状を把握しておき、売却・分筆の予定が立った時点で確定測量を検討する、という進め方が一般的です。
地積測量図がない場合の登記情報の確認
地積測量図がない土地でも、登記簿謄本から以下の情報は確認できます。
- 所在・地番:土地の特定に使用
- 地目:田・畑・宅地・山林など(現況と一致しない場合も)
- 地積:登記簿上の面積(実測値と異なる可能性あり)
- 所有者情報:登記名義人・住所・持分
登記簿謄本は法務局・登記情報提供サービスで取得できます。AI OCRツールを使えば取得したPDFを自動抽出してExcelに整理できます。
複数物件の登記簿をまとめて管理する
不動産仲介の現場では、複数物件の地積・地目・所有者情報を登記簿から収集してリスト化する作業が発生します。物件数が増えるほど、1件ずつ手入力する作業は時間がかかり、転記ミスも起こりやすくなります。
手入力 vs AI自動抽出の時間比較
| 処理件数 | 手入力 | AI自動抽出(テキストPDF) | 削減率 |
|---|---|---|---|
| 3件 | 約30〜45分 | 約3〜4分 | 約90% |
| 5件 | 約50〜75分 | 約5〜6分 | 約90% |
| 10件 | 約1.5〜2時間 | 約10〜15分 | 約85% |
AI OCRツール「tohon」を使えば、登記簿謄本PDFをまとめてアップロードするだけで以下の列が1筆1行のExcelで出力されます。
| 列 | 内容 |
|---|---|
| 所在 | 市区町村・丁目 |
| 地番 | 土地の番号 |
| 地目 | 田・畑・宅地など |
| 地積(㎡) | 登記上の面積 |
| 所有者名 | 登記名義人 |
| 所有者住所 | 登記上の住所 |
| 抵当権 | 有 / 無 / 無(抹消済) |
フィルタ・ソートをそのまま使えるため、物件リストの作成・更新・共有が大幅に効率化されます。30ページ無料でお試しいただけます。
よくある質問
Q: 地積測量図がない土地を確定測量するとどれくらい費用がかかりますか?
A: 土地の面積・形状・隣接地数・地域によって異なります。一般的に数十万円〜数百万円の範囲です。土地家屋調査士に見積もりを依頼することをお勧めします。
Q: 地籍調査が完了しているかどうかはどう確認できますか?
A: 国土交通省の地籍調査Webサイト(地籍調査の状況マップ)で地域ごとの完了状況を確認できます。また、市区町村の窓口でも確認できます。
Q: 登記簿の地積(公簿面積)と実測面積が大きく違う場合は?
A: 地積更正登記で登記簿の地積を実測値に合わせることができます。売買前に更正登記を行うことで、実態に即した取引ができます。
まとめ
地積測量図がないのは、その土地で分筆等の登記が行われていないためであり、珍しいことではありません。公図・登記簿・隣接地の地積測量図・地籍調査成果を組み合わせて調査を進め、売買の場面では確定測量の実施を検討しましょう。収集した図面のデータ化にはAI OCRの活用が効率的です。
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