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行政書士のAI・DX活用。許認可申請業務の効率化とデジタル化の進め方

行政書士業務のDXにAI OCRを活用する方法を解説。農地転用・開発許可申請で必要な登記簿謄本・地積測量図の情報を自動抽出し、申請書類作成を効率化する実務フローと、案件量別の判断基準をまとめました。

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行政書士業務では、農地転用許可・開発許可・土地利用変更などの許認可申請において、登記情報の収集・整理が欠かせません。複数筆の土地が対象になる場合、登記簿謄本の内容をまとめる作業が業務のボトルネックになります。AIツールを活用することで、この情報収集工程を大幅に効率化できます。

行政書士が登記情報を活用する場面

農地転用許可申請

申請書に記載する「申請地の明細」(地番・地目・地積・所有者)は、登記簿謄本から抽出したデータをそのまま転用できます。農地が複数筆にわたる場合、各筆の登記情報を台帳化する必要があり、10〜20筆の案件ではAI OCRによる一括抽出の効果が大きくなります。

開発許可申請

宅地開発・分譲地開発の許可申請では、開発区域内の全筆について所有者・地目・面積を整理した一覧が必要です。複数の登記事項証明書PDFを一括処理して一覧を自動生成できます。

相続手続き(農地・土地)

被相続人が所有していた農地・土地の全筆を一覧化して相続人に説明する場面で、複数の登記簿を一括処理して一覧表を自動生成できます。

建設業許可申請の前調査

事業地の権利関係確認に登記情報が必要な場合、AI OCRで素早く必要項目を抽出できます。

AI OCRで自動化できる工程

工程 従来 AI活用後
登記簿謄本の内容確認 目視で各項目を確認 PDFをアップロードして自動抽出
複数筆の一覧化 1筆ずつ手入力 1筆1行のExcel一覧を自動生成
申請書への転記 抽出データを手入力 コピー&ペーストで完了
地目・地積の照合 目視で照合 抽出データと申請書で比較

抽出対象は、土地登記簿の表題部(所在・地番・地目・地積)と権利部(所有者名・住所・持分・登記原因及び日付・抵当権の有無)です。

農地転用申請の具体的なワークフロー

  1. 農業委員会での事前相談が完了したら、対象農地の登記簿謄本を法務局またはオンラインで取得
  2. 取得したPDFをAI OCRツールにまとめてアップロード
  3. 地番・地目・地積・所有者が自動抽出されたExcelを確認・修正
  4. 「申請地の明細」欄に抽出データを転記(コピー&ペースト)
  5. 申請書と登記簿謄本を並べて最終確認

従来の作業フロー:登記簿PDFを開く → 項目を確認 → Excelに手入力 → 申請書に再転記 → 確認(2人確認推奨)

AI OCR活用後のフロー:登記簿PDFをアップロード → 抽出結果を確認(修正あれば修正) → Excelをそのまま活用 → 申請書に貼り付け

中間の手入力工程が消え、確認のみに集中できます。件数が多いほど時間短縮効果が大きくなります。

地積測量図のAI処理

農地転用・開発許可申請では地積測量図の添付が求められる場合があります。AIを使って地積測量図の座標値を自動抽出し、SIMA形式で出力することで、境界確認・面積計算の参考データとして活用できます。

月間処理量と効率化効果

月間の申請件数・登記確認量 手作業の目安 AI活用後(確認のみ) 削減時間/月
5件・10筆以下 約1〜2時間 約15〜25分 約45分〜1.5時間
10件・30筆 約3〜5時間 約30〜50分 約2.5〜4時間
20件以上・100筆超 約8〜15時間 約1.5〜3時間 約6.5〜12時間

事務所の案件量に応じた導入判断

月間の登記確認件数 活用の考え方
月5筆以下 手入力でも十分対応できる
月10〜30筆 AI OCRで工数を半減できる(月1〜3時間削減)
月50筆以上 自動化なしには対応が難しくなる

クラウドツールによる業務フロー改善

クラウド型AIツールを使うことで、外出先・自宅からも同じデータにアクセスできます。複数案件の並行管理や、作業の継続が柔軟になります。

行政書士業務でのAI活用の注意点

  • AI OCRの抽出結果は必ず元の登記簿謄本・地積測量図で照合確認を行ってください
  • 取得日時点の情報です。申請直前に最新の登記情報を取得することを推奨します
  • 地目の現況と登記地目が異なる場合があります(農地転用申請では現況が重要)
  • 農地については農業委員会の台帳との照合も必要な場合があります

よくある質問

Q: 行政書士が登記簿謄本のOCRツールを使う場合、法的な問題はありますか?

A: 登記簿謄本の内容を確認・転記するツールとして使用する分には問題ありません。ただし、抽出結果を最終的な書類に使用する際は必ず元の登記簿謄本で確認してください。

Q: 農地の地目(田・畑)の判別はできますか?

A: 登記簿謄本に記載されている地目をそのまま抽出します。「田」「畑」「山林」「宅地」などの地目が自動で列に入るため、地目でのフィルタリングもそのまま行えます。

Q: 農地転用申請で複数の農地が飛び地になっている場合も一括処理できますか?

A: 所在(大字・字)が異なる複数筆でも、PDFをまとめてアップロードすることで一括処理できます。

Q: 地積(面積)の小数点以下は何桁まで抽出できますか?

A: 登記簿に記載された桁数(通常小数点以下2桁)をそのまま抽出します。

Q: 法人が所有する農地の場合、所有者名はどう表示されますか?

A: 登記簿上の法人名(「〇〇農業生産法人」など)がそのまま出力されます。

まとめ

  • 農地転用・開発許可申請のように複数筆を扱う案件で、登記情報の収集は自動化効果が大きい
  • 「申請地の明細」への転記が、手入力から確認のみのフローに変わる
  • 月10〜30筆で工数半減、月50筆以上では自動化なしでは回らなくなる水準
  • 地積測量図の座標もSIMA形式で抽出でき、境界確認の参考データにできる
  • 抽出結果は必ず元の登記簿謄本と照合し、申請直前に最新の登記情報を取得する

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