登記簿をExcelにする方法3選。手入力・OCR・自動抽出ツールを比較
登記簿謄本をExcelデータにする3つの方法(手入力、汎用OCR、専用自動抽出ツール)のメリット・デメリットを比較し、業務量に応じた選び方を解説します。
tohon — 地積測量図・登記簿謄本のAI自動データ化ツール
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登記簿謄本の内容をExcelにまとめたいというニーズは、不動産業・測量業・司法書士事務所などで非常に多くあります。物件一覧の管理、権利関係の整理、顧客への報告資料作成など、用途はさまざまです。特に、複数の物件を同時に扱う業務では、どれだけ効率よくExcelに落とし込めるかが業務全体のスピードに直結します。ここでは代表的な3つの方法を詳しく比較し、一括変換・自動化の仕組みや導入コストの試算まで解説します。
方法1: 手入力でExcelにまとめる
もっとも確実ですが、もっとも時間がかかる方法です。1件あたり5〜10分程度かかることも珍しくなく、件数が増えるほど作業者の負担が大きくなります。誤字脱字などのヒューマンエラーも発生しやすいです。
手入力の場合、登記簿謄本を紙またはPDFで手元に用意し、所在・地番・地目・地積・所有者名・住所などを1項目ずつセルに打ち込んでいきます。複数物件の場合は1行ずつ増やしていく単純作業ですが、旧字体の人名・地名が含まれる場合は文字変換に手間がかかり、作業時間が倍増することもあります。
手入力の現実的なコスト
1件10分として計算すると、月30件の処理で300分=5時間。月100件なら約17時間が手入力作業だけで消える計算になります。時給2,000円換算で月10万円相当の人件費が転記だけに費やされていることになります。
- メリット: 追加費用がかからない、細かい調整がしやすい
- デメリット: 時間がかかる、件数が多いと現実的でない、ヒューマンエラーが避けられない
方法2: 汎用OCRソフトで読み取ってからExcelに整形する
スキャナ付属のOCRソフトや汎用OCRサービスでテキスト化し、そこから手作業でExcelの列に振り分ける方法です。文字は読み取れても、「どこが地番でどこが地目か」という項目の切り分けまではしてくれないため、結局は整形作業が残ります。
汎用OCRはGoogle Docs、Adobe Acrobat、Microsoft 365のOCR機能などが代表的です。PDFをテキスト化することはできますが、出力されるのは登記簿の構造を無視した「文字の羅列」です。登記簿は表題部・甲区・乙区といった独自の構造を持っており、汎用OCRではこの構造を解析できないため、後続の整形作業に多大な時間がかかります。
汎用OCRで特に問題になるケース
旧字体・外字(「髙」「﨑」「辻」のつちよし など)の誤認識。OCRが「高」「崎」「辻」と別字に変換してしまう。
手書き部分や押印・割印がある書類ではテキスト化精度が大きく低下する。
テキスト化後に「どの文字列が地番か」を人が判断して列に割り振る作業が残る。
複数物件を処理する場合、ファイルごとに繰り返し作業が必要で一括処理ができない。
メリット: 手入力よりは速い、既存のソフトを流用できる場合がある
デメリット: 旧字体・外字の誤認識が多い、整形後の手修正が残る、構造解析ができない
方法3: 登記簿専用の自動抽出ツールを使う
登記簿の書式を理解した専用ツールであれば、PDFをアップロードするだけで所在・地番・地目・地積・所有者などの項目を自動的に切り分け、そのままExcel形式で出力できます。tohonはこの方式で、1ページあたり約30秒で抽出が完了し、結果を元PDFと見比べながら確認できます。
専用ツールが汎用OCRと根本的に異なる点は、「登記簿の構造を理解している」ことです。表題部の所在・地番・地目・地積、甲区(所有権)の所有者名・住所・原因・日付、乙区(抵当権・地上権など)の設定状況といった情報を、それぞれ対応するExcelの列に自動的に振り分けます。複数物件のPDFを一括アップロードすれば、まとめて処理してExcelで一括ダウンロードできます。
- メリット: 最も速い、項目単位でExcelの列が整う、抵当権の有無も自動判定、旧字体・外字にも対応
- デメリット: ツールの導入が必要、件数が少ない場合はコスト効率が下がる
手入力 vs 汎用OCR vs AI自動抽出の比較表
| 比較項目 | 手入力 | 汎用OCR | AI自動抽出(専用ツール) |
|---|---|---|---|
| 1件あたりの作業時間 | 5〜15分 | 3〜8分(整形込み) | 30秒〜1分 |
| 旧字体・外字の精度 | 人の判断による | 低い(誤変換多い) | 高い(専用辞書あり) |
| 項目の自動分類 | なし | なし | あり |
| 複数物件の一括処理 | 不可(1件ずつ) | △(テキスト化のみ一括可) | 可(PDF一括アップロード) |
| Excel列への自動振り分け | 手動 | 手動 | 自動 |
| 抵当権の自動判定 | 手動確認 | 不可 | 自動判定 |
| 初期費用 | ゼロ | ゼロ〜低 | 月額・従量課金 |
| エラー発見の仕組み | 自己チェック | なし | 元PDF並列確認画面あり |
| 適した処理件数 | 月5件以下 | 月5〜20件(補助的利用) | 月10件〜大量処理 |
どの方法を選ぶべきか
| 月間の処理件数 | おすすめの方法 |
|---|---|
| 数件程度 | 手入力でも問題なし |
| 月10件〜数十件 | 専用自動抽出ツールの導入で工数削減効果が大きい |
| 月100件以上 | 自動抽出ツール+確認体制の構築が必須 |
複数物件を一括変換・一括管理する手順
登記業務の現場では、1案件で10〜50筆以上の土地登記簿を同時に処理することがよくあります。相続案件で被相続人が複数の不動産を保有している場合や、区画整理前の地権者調査、不動産ファンドの物件調査などがその典型です。このような場合、1件ずつ処理していては時間が足りません。
一括変換の具体的な手順(専用ツールを使う場合)
- 法務局またはオンライン登記情報サービスから登記簿謄本のPDFを複数ダウンロードする
- 専用ツールのアップロード画面で複数のPDFを一括選択してアップロードする
- ツールが各PDFを並行処理し、物件ごとに所在・地番・地目・地積・所有者情報を抽出する
- 処理完了後、全物件が1シートに1筆1行でまとまったExcelをダウンロードする
- 必要に応じてExcel上でソート・フィルタをかけて分析する
一括管理のポイント
ダウンロードしたExcelに案件番号や取得日の列を追加しておくと、後から物件ごとの変遷を管理しやすくなります。更新時は新しく取得した登記簿謄本を同じ手順で処理し、差分を確認する運用が可能です。ファイル名に物件コードと取得日を含める命名ルールを決めておくと、バージョン管理も容易になります。
転記を自動化する仕組みの説明
転記の自動化とは、「PDFを読み込んでExcelの所定の列にデータが入る」という一連の流れを、人の判断を介さずに完結させることです。専用の自動抽出ツールがこれを実現する仕組みは以下のとおりです。
自動化の技術的な仕組み
登記専用ツールは、登記簿の様式(全部事項証明書・現在事項証明書など)をあらかじめ学習しています。PDFのレイアウトから「表題部はここ」「甲区の記載はここ」という位置を認識し、各項目のラベル(「所在」「地番」「地目」など)と値を対応づけます。旧字体や外字については専用の文字辞書を持っており、一般的なOCRが誤変換しやすい文字も正確に識別します。
確認ステップの重要性
自動化していても、確認なしで運用するのはリスクがあります。優れたツールは、抽出結果と元PDFを画面上で並べて表示する確認機能を備えています。スタッフが目視確認するのはあくまで「合っているかどうかの確認」だけで済み、転記作業そのものから解放されます。これにより1件あたりの確認時間は1〜2分程度に短縮されます。
所有者情報のリスト化方法
相続調査・地権者調査・不動産仕入れなど、所有者情報を一覧化するニーズは多岐にわたります。登記簿専用ツールを使えば、複数物件の所有者名・住所をExcelの所有者列・住所列に自動で展開できます。
所有者リストの作り方
- 対象物件の登記簿謄本PDFを一括アップロードして処理する
- 出力されたExcelの「所有者名」「住所」列を使って所有者リストを作成する
- 重複する所有者名でグループ化すれば、1人の地権者が複数筆を保有しているケースを特定できる
- VLOOKUP・ピボットテーブルなどExcel標準機能で集計・分析する
注意点: 共有名義・法人所有のケース
所有者が複数いる共有名義の土地では、所有者欄に複数名が記載されます。専用ツールでは共有者を区別して抽出できるため、共有持分を含む情報管理も可能です。法人所有の場合は法人名・住所が抽出されます。相続案件での旧住所・旧名義からの名寄せは、Excelの関数やマクロで対応するのが一般的です。
1筆1行で整理する実務上のメリット
登記簿Excelにおけるもっともシンプルかつパワフルなルールが「1筆1行」です。専用ツールで出力されるExcelはデフォルトでこの形式になっており、これがあるだけで業務効率が大きく変わります。
1筆1行形式のメリット
- ソートができる: 地目順・地積の大きい順・所有者名の五十音順などで並べ替えが瞬時にできる
- フィルタができる: 「地目=田」「抵当権あり」「所有者住所=〇〇市」など条件絞り込みが容易
- 集計ができる: 同一所有者の総地積、エリアごとの物件数などをSUM・COUNTIFで自動計算できる
- 他データとの結合ができる: 物件番号をキーに顧客管理表・測量結果・価格情報と紐づけられる
- 差分確認ができる: 前回データと今回データをVLOOKUPで比較し、所有者変更・地積変更などの差分を検出できる
- 共有・引き継ぎが容易: Excelファイル1枚に全情報が入るため、複数担当者間での共有が簡単
1筆1行でないExcel(複数行にまたがる形式や、メモ列に複数情報が混在する形式)は、フィルタが正常に機能しないため実務での扱いが難しくなります。専用ツールで出力した時点で1筆1行になっていることは、運用上の大きなメリットです。
導入コストと削減工数の具体的な試算例
専用ツールの導入を検討する際、コストと効果を数字で比較することが重要です。
試算例: 月50件の処理を行う不動産会社の場合
| 項目 | 手入力の場合 | 専用ツールの場合 |
|---|---|---|
| 1件あたりの作業時間 | 10分 | 2分(確認込み) |
| 月50件の合計時間 | 500分(約8.3時間) | 100分(約1.7時間) |
| 月間削減時間 | — | 400分(約6.6時間) |
| 時給2,000円換算のコスト | 16,600円/月 | 3,400円/月 |
| ツール利用料(仮) | ゼロ | 5,000〜15,000円/月(処理量による) |
| 総コスト(人件費+ツール) | 16,600円 | 8,400〜18,400円 |
月50件の場合、ツール利用料が月1万円以下なら人件費削減分でペイする計算です。さらに、作業精度の向上(ヒューマンエラーによる修正コストのゼロ化)や、削減された時間で他の業務に集中できる付加価値も考慮すると、多くのケースで専用ツールの導入が経済的に有利になります。
月100件以上の大量処理の場合
月100件・1件10分の手入力なら月1,000分(約16.7時間)。時給2,000円で約33,000円の人件費が転記作業に消えます。専用ツールで1件2分に短縮すれば200分(約3.3時間)・6,600円相当。差額の約26,000円分が月ごとに積み上がり、年間では30万円以上の削減効果となります。
登記簿Excelで抽出できる主な項目
専用自動抽出ツールを使うと、以下の項目が列単位でExcelに出力されます。
| 項目 | 説明 |
|---|---|
| 所在 | 土地の住所(大字・字まで) |
| 地番 | 法務局での管理番号 |
| 地目 | 宅地・田・畑・山林など |
| 地積 | 登記上の面積(㎡) |
| 所有者名 | 現在の登記名義人 |
| 住所 | 所有者の住所 |
| 抵当権 | 有・無・無(抹消済)の自動判定 |
これらが1筆1行の形式で整理されるため、大量の物件情報をExcelでソート・フィルタして活用できます。
業務別の活用例
不動産仕入れ調査: 対象エリアの複数物件を一括で取り込み、地目・面積・所有者・抵当権の有無をExcelで一覧化。条件でフィルタして優先交渉先を絞り込む。抵当権なし・所有者住所が遠方・地積500㎡以上などの条件を組み合わせて有力候補を瞬時にリストアップできる。
相続登記の前調査: 被相続人が所有する複数不動産の登記内容を一括抽出。所有者名・住所の同一性確認と物件一覧表の作成を同時に行う。共有持分が含まれる案件では、共有者ごとの持分情報も含めて一覧化することで、相続協議書の下書きに活用できる。
台帳管理: 管理物件の登記情報を年次で更新。変化した所有者・抵当権情報だけを差分確認する運用が可能。前年度のExcelと当年度のExcelをVLOOKUPで突き合わせれば、変更のあった物件だけを抽出できる。
地権者調査・境界確認: 土地家屋調査士が筆界特定・境界確定のために複数筆の所有者情報をまとめる場面では、隣接地の登記簿を一括処理して所有者リストを作成することで、通知書の宛名管理が効率化される。
測量後の成果品作成: 測量結果と登記地積を並べた比較表を作成する際、登記地積の列を専用ツールで自動入力することで、手計算・手入力によるミスを防げる。
よくある質問
Q: 旧字体(「髙」「﨑」など)は正しく読み取れますか?
A: 汎用OCRでは誤認識が多いですが、登記簿専用ツール(tohon)は登記書類に特化した外字辞書を搭載しており、旧字体・外字を正確に認識できます。「髙橋」が「高橋」に変換されるといったミスは、所有者への通知書作成時に重大な問題になるため、専用辞書の有無は選定の必須確認事項です。
Q: 建物登記簿にも対応していますか?
A: tohonは土地登記簿謄本の自動抽出を主な対象としています。建物登記については地積・地目などの土地特有の項目が対象外になります。区分所有建物(マンション)の登記については対応状況をご確認ください。
Q: Excelの出力形式はカスタマイズできますか?
A: 標準の出力形式は固定ですが、Excelでダウンロード後に自由に列の並べ替えや列の追加ができます。業務によっては、案件番号・取得日・メモ列などを追加してチームで共有する運用をおすすめします。
Q: スキャン品質が悪いPDF(かすれ・傾きあり)でも処理できますか?
A: 品質によっては精度が下がる場合があります。法務局のオンライン登記情報提供サービスからダウンロードしたPDF(テキスト層あり)では高精度で処理できます。スキャンPDFは解像度300dpi以上・白黒スキャンが推奨です。
Q: 抵当権の内容(債権額・債務者)まで抽出できますか?
A: 抵当権の「有無」と「抹消済かどうか」は自動判定します。債権額・根抵当権の極度額などの詳細情報の抽出については、tohonのサポートにお問い合わせください。乙区情報の詳細対応はツールによって異なります。
Q: 月に処理する件数が少ない場合でも使えますか?
A: 従量課金プランであれば、月数件からでも費用対効果があります。手入力よりも正確・迅速に処理できるため、件数が少なくても精度向上の恩恵は受けられます。7日間の無料トライアル(30ページ)で実際の書類を試してから判断することをおすすめします。
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